バイク ナナハンに乗りたかった父
父が自動車運転免許を取ったのはいつだったかは聞き忘れましたが、少なくとも母と結婚したころには取っていたみたいです。ですから昭和40年以前の免許だったのでおまけで自動二輪車バイクの限定解除を持っていました。父はいつも、俺は大型のナナハン(750cc)に乗れるんだ、だからいつかそれに乗って日本中を回るんだと言ってました。
父のバイクに乗せてもらう
父はバイクに乗るのが好きだったみたいで、時々乗せてもらってあちらこちらに行った事がありました。小さいときは前に乗せてもらいハンドルも一緒に握った事がありました。ハンドルの付け根の方を持って父の前に座るとまるで自分が運転するような感覚になり、とても興奮したことを覚えてます。父は、前に座らせると風よけになって冬は暖かいと笑っていました。今だったら危なくて出来ないでしょう。
父とツーリング
近場の大仙古墳(伝仁徳天皇陵)とか笠置とか生駒などにもよく行きました。今はトンネルになっていますが、当時の163号線の清滝峠はクネクネ道でよく渋滞が発生していました。でもバイクなので横をスルスルと通って抜けていくのが嬉しくて、何台ぬけるのか数えたことがあります。100台以上はあったと思います。
ホンダ HAWK-II
そんな父は大きなバイクが欲しかったのですが、高価なのだからなかなか大きなものは買えなかったので、小さなバイクで我慢してたそうです。ある日、古くなったので買い替える話が出てその時に、これからは高速道路が沢山出来てそこを走る必要があるから大きなのが要る、400ccのバイクでないと高速を走れないと母を説得し、ホンダ HAWK-IIを買ってもらいました。このバイクは当時319,000円となかなかいい値段でした。
母騙される
しかしある日ある時、母は気が付いたのです。高速に乗れるのは125cc超のバイク、つまり400ccも要らなくて150ccとか250ccとかでも大丈夫だということを。しかも400ccのHAWK-IIは二年に一度の車検が必要だったのです。騙されたと母は怒るのですが買ったものは仕方がありません。そのまま使うことになりました。父はしてやったりという感じで嬉しそうにしてたそうですが、母は40年たった今でも騙されたと悔しそうに話します。
ホンダのバイクは乗りやすい
このHAWK-IIが発売されたのは1975年に自動二輪車運転免許制度改正が実施され、排気量400cc以下のバイクを開発する必要から出来たらしいです。性能はホンダが今までの技術を総結集したものみたいで、ハイウェイからラフロードまで、高速道路での遠出から街乗りまでバランスの良い高性能だったらしくベストセラーになったみたいです。
私も乗ったことがありますが400ccでも運転しやすく初心者でも安心して乗れました。ただ、スタイルが野暮ったかったみたいで、友人から教習所バイクと笑われたことがあります。父はこのバイクを気に入っていたのか丈夫だったのかわかりませんが、長く乗っていました。まあ車検のたびに母はブツブツ言ってたらしいですが。
やっぱりナナハンに乗りたかった
その後、400ccは禁止されましたが250ccとかのバイクを好んで乗っていました。歳をとってスクータータイプに乗り換ても250ccのFREEWAYに乗っていました。東京でもこれを乗り回して営業に励んでいたみたいです。
ただナナハンに最後まで乗れなかったのは心残りだったみたいです。
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