写植機の改造 バリアフリー化
父が写植会社を経営していた時、聴覚障害者の方が就職しました。文字が読めて操作するだけなので耳が聞こえなくても特に問題は無いかと思われましたが、大きな問題があったのです。それ は写植の機械が、何かあったときは音で知らせるのです。
メーカーを頼らず自分で工夫
例えば、一行の最後まで来るとブザーで知らせてくれるとか、間違ったことをするとブザーで知らせるとかです。聞こえなければ仕事が効率よくできません。
そこで父は改造魂に火が付いたのか写研に頼むのではなく、自分でブザーが鳴るとランプが点灯する装置を作りました。父は旋盤工でしたが、少年のころから鉱石ラジオを作ったりして、電気についても知識はあったみたいです。
制御盤の中の組み立てをするバイトなどもしてましたので、道具もそろっていましたから早速日本橋の電気屋街で必要なものを買ってきて回路を組み立てました。
誰がするのバリアフリー化
これで聴覚障碍者の方であっても問題なく操作できました。この人は長い間、父の下で働いていました。
今ではバリアフリー化の装置をメーカーが考えて取り入れたりしていますが、この頃ではそのような装置は自分で作らなければならなかったのです。
しかし、この高価な写植機に自分で穴を開けたり配線を引き回したりと大胆なことをよくできたなと感心します。母はいつもの事だとあきらめていたみたいです。
誰でも使いやすく
片腕の方も働いていたことがありました。このときも、片手で文字盤の交換をしやすいようにしたり、パソコンを使っていた時などでShiftキーやCtrlキーを押したままにしておくために足で操作できる装置を自作していました。
やりたいことをやっただけ
本人はバリアフリー化とかではなく、単にどうやって便利なようにしようかと考えるのが好きなので、やっていただけみたいです。ただ見た目は重視してなかったので、配線がむき出しだったり鉄板が出ていたりしてても気にはしなかったみたいです。
この無ければ作れば良いじゃんの考えは私にも伝わっていたのか、自宅で何かあればすぐに自分でなんとかしようとして、家族から「見た目もちゃんとしたものが欲しい」といつも言われます。私にはやはり美的センスは無いようです。
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