大阪市中央公会堂
大阪の中之島には有名な大阪中央公会堂があります。相場師岩本栄之助の寄付により1918年(大正7年)に建てられた中央公会堂は、ネオルネッサンス様式の美しい外観で大阪のシンボル、観光名所として長年大阪市民に愛されてきました。岩本栄之助は完成を見る前に相場で失敗をして亡くなっています。その時に寄付したお金の一部でも返してもらえという意見に対し、「一度寄付したものを返せというのは大阪商人の恥」としてこれを拒否したそうです。そのため岩本栄之助は今でも「義侠の相場師」としてその名は伝わっています。
アインシュタインやヘレン・ケラーなど各界の著名人が講演をし、国際的な一流アーティストによるオペラやコンサートも行われるなど、大阪の文化芸術の発展に深く関わってきました。
一時、老朽化による耐震性に問題が出てきたので取り壊しの話も出ましたが、1999年から2002年までの三年半をかけて、創建時の意匠への復元と高い耐震性を与える保存・再生工事をしました。また、次世代まで使えるようにスロープやエレベータを新設するなどバリアフリー化も備えさせました。
写真は1956年ごろの大阪中央公会堂です。道路を走っているバイクや三輪トラックに時代を感じさせます。
父と大阪中央公会堂
父は日本に帰国後、親戚の家の淀から通勤に一時間半もかけて大阪市淀川区姫島の鉄工所へ勤めていました。ちょうどその頃に中之島の公会堂で平和運動の講演会があったそうです。興味があった父が行ってみたところ、たまたま関西合唱団の会員募集のビラをもらったそうです。帰り道の大阪駅からも近かったため行ってみたそうです。
当時は歌声喫茶があちらこちらに出来て、歌声運動が盛んでした。父は小さいころから蓄音機やハーモニカになじんでいて、音楽や歌が好きだったみたいです。姫島の鉄工所の帰りに立ち寄って合唱団の活動に参加したそうです。なお合唱団の活動が中央公会堂で行われていたかどうかは不明です。
私と大阪中央公会堂
私は一度だけ中央公会堂に行ったことがあります。1982年の春だったと思うのですが、友人と同人誌即売会、いわゆるコミケに行きました。その時の会場が中央公会堂三階の中集会室でした。
まだオタクという言葉が出てなかったですが、東京の同人誌即売会(コミケ)が評判になり全国に波及してきた頃でした。また、ガンダムから派生したロボットアニメが若者に人気が出てきていました。私は高橋留美子先生のうる星やつらなどが好きだったので、友人に誘われて行きました。
当時はネットなどは無く、情報と言えばアニメ雑誌などからだったので実際にこのような同好の士と直接やり取りをするのはなかなか難しかったのです。まず同じ趣味の人を見つけるためには学校で見つけるか、情報誌を買ってメル友を探したりこのようなイベントに行くしかありませんでした。したがって、このような場所に来ると同じ趣味の人とたくさん出会えるのが楽しく、初めて会った人たちでも気軽に話が出来たり遊んだりしました。会場内ではたくさんのサークルが自分たちが作った同人誌を販売をしたり、コスプレの撮影会や批評が行われて非常に活気がありました。とてもおもしろかったです。
私はその後もあちこちのコミケにも行きましたが、この公会堂のコミケが一番印象に残っています。
このように美しい外観を持ち、あらゆるジャンルのイベントが出来る国の重要文化財である大阪中央公会堂は、いつの時代も変わらず、大阪市民だけでなく多くの人々に愛され親しまれています。
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