天津駅の機関車 1980年前後

父も鉄道ファン?
父の写真を整理していると鉄道の写真も多数残っていました。鉄道ファンと言うよりも機械が好きなので、機関車などに興味があるのでしょう。今回は1978年ごろに天津駅で撮られた写真のお話しです。
天津には3つの駅
天津には北駅、東駅、西駅と大きな駅が3つあります。天津は北京から来た列車が東北地区方面行きと上海方面行きに分かれるところです。東駅が一番大きく、北京から来た東北地区方面行きの列車はこの駅に止まります。写真は東駅です。北駅は東駅を補完するような駅です。西駅は上海方面行きの列車が発着する駅です。北京に行く場合はどちらの駅からでも乗れますが、北京天津間の特急は東駅発着になります。
写真の右側の車両はXLの記号があるので荷物車です。中国語では荷物の事を行李(xingli)と言いますのでここからXLの記号が付けられました。日本でも旅客列車に荷物車を連結させて貨客を一度に運ぶことがありましたが、今はありません。ローカル線では復活させる動きもあるようです。

北京型ディーゼル機関車
北京型は液体式ディーゼル機関車で、当時の幹線旅客用機関車でした。前面の北京という文字とともに、真ん中に天安門を模したエンブレムが特徴です。1971年から1991年に358両が製造されました。液体式ディーゼルとはエンジンの回転を液体トルクコンバーターを使って駆動軸に伝える方法です。この車体の色は深緑色です。私が留学していた時は青色が多かったので、時代によって変えたのでしょうか。
奥に曲がりくねったパイプが見えます。これは蒸気機関車に水を補給する給水パイプです。蒸気機関車はこの頃でもまだまだ主力の動力源だったのです。

前進形蒸気機関車
この蒸気機関車は前進形だと思われます。前進形は元々ソ連のシベリア鉄道で使っていたものを参考に自力で設計製造した中国初の国産重量貨物用大型機関車です。1988年までに4708両製造されたみたいです。なお、文革期には中ソ関係悪化のため「反帝形」とも呼ばれていたらしいです。しかし動輪が5つもある1E1のテンダー車だと約3000馬力も出るんですね。線路の幅が広い大陸の標準軌だとこんなに大きな蒸気機関車が走れるんですね。ちなみに日本のC62だと約2000馬力です。

建設形蒸気機関車
こちらは建設形蒸気機関車だと思われます。こちらもテンダー式蒸気機関車で、1957年に解放形蒸気機関車の改良型として設計製造されました。1988年までに1921両製造されたみたいです。
貨物用として活躍しました。ちなみに、テンダー式とは燃焼室が付いた動力車と石炭や水を運ぶ運搬車が別になった形式です。一体になった形式はタンク式と言います。

発車までの作業
サボとは列車に取り付ける行先標の事です。この列車は北京天津間の特急列車です。北京までノンストップで約1時間40分ぐらいで走ります。北京天津間は137kmだから時速60kmと、そこそこのスピードで走ります。北京天津間は平野部を走りますので景色がほとんど変わりません。ただ、油田がありますのでその油井の鉄塔などを見ることができます。
昼間の客車には特別席(软座)と一般席(硬座)の二種類の席がありました。特別席は一般席の約1.75倍の金額です。なおかつ特急料金は別途かかります。私が留学していた1986年ごろだと北京天津間137kmで一般席2.7元、特別席4.5元、特急料金1.1元かかりました。



実は天津駅の写真はもっと沢山あったのですが、タバコの火が落ちたかして一部破損してしまったのです。その影響で破損はしてないけど色調がおかしくなった部分があります。もっときれいに残っていたら貴重な映像だったのに残念です。
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